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Ryukoku Corrections
and Rehabilitation Center(RCRC)

矯正・保護総合センター

矯正・保護課程

社会人も受講

本学では、戦前からの長い歴史と伝統を持つ浄土真宗本願寺派の宗教教誨を基盤としながら、日本で唯一の刑事政策に特化した教育プログラムとして、1977年に法学部が中心となって特別研修講座「矯正課程」(現在の「矯正・保護課程」)を開設しました。それ以来、刑務所・少年院・少年鑑別所などで働く矯正職員を目指す学生や、犯罪をおかしたり非行をおこなった人たちの社会復帰を手助けする保護観察官等の専門職やボランティアを養成するために実務に即した教育プログラムを提供しています。

また、社会人等の本学学生以外の方には、学校教育法の定めに基づく履修証明プログラム(「矯正・保護教育プログラム」)として矯正・保護課程を開講しています。

受講のすすめ

最近は、犯罪や治安問題が、政治課題として論じられるようになってきました。この背景には、治安状況の悪化があげられています。しかし、専門家の分析によれば、治安悪化には統計上根拠があるわけではありません。多くの人々は、警察の発表やマスコミ報道の強い影響を受け、漠然とした不安を感じています。このような不安感を背景にして、性急に犯罪や非行に対応していくならば、効果もないどころか大きな弊害を生み出しかねません。まず、事実を正確にとらえることが必要です。

矯正・保護課程では、現場の声を直接聞くことのできる貴重な機会を提供します。一般にはあまり知られていない施設の実情についても、参観などを通じて、知ることができるでしょう。犯罪や非行を考えるための正確な知識と判断力を身に付けることが、この講座(プログラム)の目標です。

特別研修講座「矯正・保護課程」について
(本学学生対象)

本学学生向け

目的

本学の歴史と伝統を活かして、刑務所、少年院、少年鑑別所などで働く矯正職員や犯罪をおかしたり非行をおこなった人たちの社会復帰の手助けをする保護観察官等の専門職やボランティアを養成することを目的としています。

関連職務・活動

矯正・保護・福祉の分野に関連する職務や活動には主に次のようなものがあります。

[国家公務員]

  • 刑務官
    刑務所、少年刑務所又は拘置所に勤務し、被収容者に対し、日常生活の指導、職業訓練指導、悩みごとに対する指導などを行うとともに、刑務所などの保安警備の任に当たります。
  • 法務教官
    少年院や少年鑑別所などに勤務する専門職員。幅広い視野と専門的な知識をもって、少年たちの個性や能力を伸ばし、健全な社会人として社会復帰させるために、きめ細かい指導・教育を行っています。
    また、刑事施設(刑務所、少年刑務所及び拘置所)に勤務し、受刑者の改善指導などに携わる道も開かれており、性犯罪や薬物依存などに関わる問題性に働きかける指導のほか、就労支援指導や教科指導などを行っています。
  • 法務技官(心理)
    法務省専門職員(人間科学)採用試験 矯正心理専門職区分により採用され、少年鑑別所や少年院、刑事施設(刑務所、少年刑務所及び拘置所)などに勤務する専門職員です。
    心理学の専門的な知識・技術等をいかし、科学的で冷静な視点と人間的な温かい視点を持ちながら、非行や犯罪の原因を分析し、対象者の立ち直りに向けた処遇指針の提示や、刑務所の改善指導プログラムの実施に携わっています。
  • 保護観察官
    地方更生保護委員会や保護観察所に勤務し、心理学、教育学、福祉及び社会学等の更生保護に関する専門的知識に基づき、社会の中において、犯罪をした人や非行のある少年の再犯・再非行を防ぎ改善更生を図るための業務に従事します。
  • 家庭裁判所調査官
    家庭裁判所調査官補に採用されると、家庭裁判所に配属され、直ちに裁判所職員総合研修所に入所し、家庭裁判所調査官養成課程において、約2年間にわたり家庭裁判所調査官に任命されるための養成研修(採用庁における約1年間の実務修習を含む。)を受けます。
    家庭裁判所調査官になると、調査を行う権限が付与され、夫婦、親族、子どもをめぐる争いなどの家庭に関する事件において紛争当事者や紛争の下にある子どもに対して、あるいは少年事件において非行のあった少年及びその保護者に対して、面接調査をしたり、関係機関との調整を行ったりします。紛争の背景にどのような事情があるか、子どもの状況や心情はどのようなものか、紛争解決のために何が必要か、少年がなぜ非行に至り、どのようにすれば立ち直ることができるか等を、行動科学の知見等に基づいて分析して明らかにし、裁判官に報告することで、裁判所の判断を支えていくことになります。
  • 社会復帰調整官
    保護観察所に勤務し、精神障害者の保健及び福祉などに関する専門的知識に基づき、心神喪失などの状態で重大な他害行為を行った人の社会復帰を促進するため、生活環境の調査、生活環境の調整、精神保健観察などの業務に従事します。

[保護司]

犯罪や非行をした人の立ち直りを地域で支える民間のボランティアです。保護司法に基づき、法務大臣から委嘱された非常勤の国家公務員とされていますが、給与は支給されません。保護司は、民間人としての柔軟性と地域の実情に通じているという特性をいかし、保護観察官と協働して保護観察に当たるほか、犯罪や非行をした人が刑事施設や少年院から社会復帰を果たしたとき、スムーズに社会生活を営めるよう、釈放後の住居や就業先などの帰住環境の調整や相談を行っています。

[教誨師]

矯正施設の被収容者の希望に応じて、民間の篤志宗教家である教誨師が宗教教誨を行い、信教の自由を保障しつつ精神的安定を与え、受刑者や少年院在院者などの改善更生と社会復帰に寄与しています。宗教教誨には、同じ宗教宗派の宗教教誨を希望する者を集めて行う集合教誨と、個別に行う個人教誨とがあります。

[篤志面接委員]

全国の矯正施設(刑務所・少年院など)に収容されている受刑者や少年院在院者などに対して、それぞれの施設において面接や指導、教育を行い、その改善更生と社会復帰を手助けする民間ボランティアです。法務省から正規の委嘱を受けて活動しています。

[B.B.S(Big Brothers and Sisters Movement)]

様々な問題を抱える少年と、兄や姉のような身近な存在として接しながら、少年が自分自身で問題を解決したり、健全に成長していくのを支援するとともに、犯罪や非行のない地域社会の実現を目指す青年ボランティア団体で、全国で約5,000人の会員が参加しています。近年では、児童福祉施設における学習支援活動や児童館における子どもとのふれあい行事等も実施しています。BBSの趣旨に賛同し、誠意と熱意のある方ならどなたでも参加できます。

その他

  • 福祉関係
    民生委員、児童委員、身体障害者福祉司、児童自立支援施設職員及び社会福祉施設職員 等

    注)児童自立支援施設職員を目指す人は、卒業後に国立武蔵野学院附属人材育成センター養成部に入所することをお薦めします。

  • 刑事司法関係
    警察官、裁判所調停委員、更生保護施設職員、更生保護女性会員 等
  • 教育関係
    学校教員、地域社会教育リーダー 等

[受講対象]

龍谷大学の在学生であること

注)本学文学部・法学部・政策学部・社会学部・短期大学部の学生が正課科目として受講する場合は、入学年度・配当年次・対象科目等を所属学部の履修要項で必ず確認してください。

[受講料](※税込み)

講義 1単位科目:780円  2単位科目:1,570円  4単位科目:3,150円 注)正課科目として登録した科目の受講料は無料です(文学部・法学部・政策学部・社会学部・短期大学部の学生のみ)。
施設参観 1,530円/1日(別途発表)
注)一旦納入された受講料は返還しません。

[修了認定]

以下の2つの要件を満たした者には、「矯正・保護課程修了証明書」(本学独自の課程修了証明書)を交付します。

①開設科目のうち、16単位以上修得
②施設参観に2日以上参加

修了認定に関する留意事項

①一度合格点を得た科目(既得科目)を複数回履修することは可能ですが、2回目以降、その科目を合格しても、修了要件単位として認められません。また、科目名称の変更や学舎によって、開講形態が異なる科目でも同一科目として取り扱うものがあります。(例1:「矯正心理学」と「犯罪心理学」、例2:深草学舎開講の「矯正概論」と瀬田学舎開講の「矯正概論A」「矯正概論B」)詳細は矯正・保護総合センター事務部でご確認ください。

②施設参観については、各日程で定められている施設を全て参観しないと、上記修了要件の参観日数にカウントしません。(例:1日2施設参観予定の日程に参加し、1施設のみしか参観しなかった場合)

「成績表」は各学期の成績表配付時にお渡しします。(※正課科目として矯正・保護課程科目を履修した者は除く)また、卒業年次生で矯正・保護課程を履修し修了要件を満たした方には卒業式の日に「矯正・保護課程修了証明書」(1通)を交付します。
それ以降に「矯正・保護課程修了証明書」が複数必要な方は、申込み窓口またはオンラインで申請手続きを行ってください(1通〈在学中〉200円、〈卒業後〉300円)。卒業後は上記証明書発行方法以外に郵便またはオンラインでの申請が可能です。

更に詳しくは下記のPDFをご覧ください


履修証明プログラム「矯正・保護課程(矯正・保護教育プログラム)」について(社会人等対象)

社会人向け

矯正・保護課程では社会人等の本学学生以外の方を対象に学校教育法の定めに基づく履修証明プログラム(※)を開設しています。このプログラムは、本学特別研修講座「矯正・保護課程」の講義科目と施設参観(講習)を組み合わせ、本課程が定める時間数を履修することにより、体系的な知識・技術等の習得をめざすものです。プログラム修了者には、学校教育法第105条の規定に基づく履修証明書(所定の科目を履修したことを証明するもので、単位や学位を取得したことを証明するものではありません)を交付します。

※履修証明プログラムとは
履修証明プログラムは、社会人等の学生以外の者を対象とした特別の課程です。大学の教育・研究資源を活かし一定の計画の下に編成する体系的な知識・技術等の習得をめざした教育プログラムで、目的・内容に応じて総時間数60時間以上で設定されています。その修了者には、学校教育法に基づく履修証明書が交付されます。

プログラム名称

矯正・保護課程(「矯正・保護教育プログラム」)

プログラムの開設目的

本プログラムは、刑務所、少年院、少年鑑別所等で働く矯正職員や犯罪をおかしたり非行をおこなった人たちの社会復帰の手助けをする保護観察官等の専門職やボランティアを養成するとともに、矯正・更生保護分野の仕事や活動に携わる人等のキャリアアップや知見拡充に役立つ実務に即した教育プログラム(カリキュラム)を体系的に提供することを目的としています。

履修資格

次の(1)から(8)のいずれかの資格を満たす者。(※本学矯正・保護課程委員会で受講可否の審査をする際に、(1)から(8)のいずれかの資格を満たしているかを確認するため、受講申込みの際に最終学校の卒業証明書又は修了証明書の提出が必要となります。ただし、過去(2016年度以降)に本プログラムを受講し、先の証明書を提出した方は、提出不要です。

  • (1)高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者
  • (2)通常の課程による12年の学校教育を修了した者(通常の課程以外の課程によりこれに相当する学校教育を修了した者を含む。)
  • (3)外国において学校教育における12年の課程を修了した者又はこれに準ずるもので文部科学大臣の指定した者
  • (4)文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外教育施設の当該課程を修了した者
  • (5)専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定したものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者
  • (6)文部科学大臣の指定した者
  • (7)高等学校卒業程度認定試験規則による高等学校卒業程度認定試験に合格した者(旧規程による大学入学資格検定に合格した者を含む。)
  • (8)本学矯正・保護課程委員会において,個別の受講資格審査により,高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者で、18歳に達した者

定員

特に設けていません。

受講時間数(総時間数)

180時間以上

修了要件

以下の2つの要件を満たした場合、本プログラムを修了したものとし、学校教育法第105条の規定に基づく「履修証明書」を交付します。

  • (1)本学特別研修講座「矯正・保護課程」の開設科目を180時間以上受講し、科目合格していること
  • (2)施設参観に2日以上参加していること

修了認定に関する留意事項

①一度合格点を得た科目(既得科目)を複数回履修することは可能ですが、2回目以降、その科目を合格しても、修了要件の受講時間数(総時間数)として認められません。また、科目名称の変更や学舎によって、開講形態が異なる科目でも同一科目として取り扱うものがあります。(例1:「矯正心理学」と「犯罪心理学」、例2:深草学舎開講の「矯正概論」と瀬田学舎開講の「矯正概論A」「矯正概論B」)詳細は矯正・保護総合センター事務部でご確認ください。

②施設参観については、各日程で定められている施設を全て参加しないと、上記修了要件の参観日数にカウントしません。(例:1日2施設参観予定の日程に参加し、1施設のみしか参観しなかった場合)

  • ※注1 2015年度までに修得した矯正・保護課程科目の単位は、本履修証明プログラムの修了に必要な時間数(受講時間数)としてカウントします。また、施設参観に参加した方につきましても2015年度までに参加した分は修了要件にカウントします。
  • ※注2 本学出身者が本学在学時に取得した矯正・保護課程科目の単位は、卒業後、本「矯正・保護教育プログラム」を履修した際、修了に必要な時間数(受講時間数)に換算し、修了要件時間数(総時間数)にカウントします。
  • ※注3 1年で上記修了要件を満たし本プログラムを修了することは可能です。また、複数年にわたり修了することも可能ですので、各自の履修計画にあわせて、学修してください。

成績発表・証明書の交付について

  • (1)「成績表」は学期末に各受講生へ郵送します。
  • (2)「履修証明書」は上記修了要件を満たした学期末に1通郵送します。
  • ※それ以降に「履修証明書」が必要な方は、申込窓口で申請手続きを行ってください(1通 300円)。
    また、上記証明書発行方法以外に郵送またはオンラインでの申請も可能です。
  • 注)2015年度までに矯正・保護課程を修了した方については、従来どおり「矯正・保護課程修了証明書」(本学独自の課程修了証明書)<1通 300円>を交付します。

受講料(※税込み)

(1)講義 3,140円/1科目

(2)施設参観 1,530円/1日(別途発表)

注)一旦納入された受講料は返還しません。

審査・受講許可

本学矯正・保護課程委員会へ提出された書類をもとに審査し、受講を許可します。(受講可否は、前期・通年科目は4月上旬、後期科目は9月中旬に連絡します。)

 

更に詳しくは下記のPDFを御覧ください


受講生たちのことば

  • 座学で学ぶだけでは、理解が深まらないので、実際の矯正・保護施設を自分の目で見ることにより、理解が深められた。〔法学部生〕
  • 授業やビデオだけでは分からないところを、施設参観で見ることができるので、とても有益である。また、実際に施設で働いている矯正職員らの話が聞けるのも、大変勉強になる。〔法学部生〕
  • 毎回の講義を楽しく受講している。〔文学部生〕
  • 将来の進路を考える上で、施設参観はとても参考になった。〔文学部生〕
  • どの授業も密度の濃い授業で楽しい。〔社会人受講生〕
  • 矯正・保護課程の科目は、受講料が安価で、社会人にとって受講しやすい。また、施設参観も普段見ることのできない施設を見ることができるので、もっと多くの方が、矯正・保護課程の科目を受講したり、施設参観に参加すべきだと思う。〔 社会人受講生〕
  • 講師の先生方の熱心な授業と職員の方の丁寧な対応に感謝している。また受講を考えたいと思う。〔社会人受講生〕
  • 講義等からのイメージだけでなく、施設参観で実際の現場を見ることにより自分のよい経験(体験)になった。〔社会人受講生〕

講師からのメッセージ

  • 矯正・保護課程を通じて、受講生の皆さんに少しでも刑務所や少年院、更生保護の活動、受刑者や非行少年に関心を持ってもらうことを期待しています。そのような人たちが一人でも増えることが、彼らの社会復帰につながり、ひいては犯罪のない明るい社会の実現に近づくと思うからです。
  • 犯罪の凶悪化・低年齢化などが社会の注目を集めますが、犯罪や非行は、なぜ、起きるのか。非行少年や犯罪者は、どうすれば立ち直ることができるのか。みなさんと、一緒に考え、学んでいきたいと思います。