古川原 明子 矯正・保護課程委員会委員長(法学部・教授)
1977年、龍谷大学は、戦前から今日に至るまでの長い歴史と伝統を持つ浄土真宗本願寺派の宗教教誨を基盤として、日本で唯一の刑事政策に特化した教育プログラム、矯正課程を設置しました。その後、刑務所や少年院、少年鑑別所などで働く矯正職員を目指す学生たちに実務に即した授業を提供するべく、順次、関連する科目を開設し、時代の要請に応えるために、より広い視野に立って、更生保護や犯罪被害者への支援、犯罪者・非行少年の処遇の在り方について学ぶ特別研修講座へと進化してきました。
また本講座は、関係機関の協力を得て、刑務所や少年院、更生保護施設などの施設参観を授業の中に組み込み、現場の声を直接聞いて学ぶ貴重な機会を提供しています。犯罪・非行の防止と罪を犯した人たちの更生を考えるための正確な知識と視点を身につけることが、この講座の特徴です。
本講座は、在学生や本学卒業生のみならず、問題意識が明確で勉学意欲の高い社会人の方にも、受講の門戸を開いています。開設以来、受講生はのべ4.1万人を超えており、矯正・保護の実務家や民間協力者として活躍する卒業生・修了生を多数送り出してしてきました。
今後も、これまでの蓄積を踏まえた教育プログラムを提供するとともに、研究部門とも有機的な連関をはかって、一層の展開を目指します。引き続きのご理解、ご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。