拷問は過去の遺制というより、あらたな人権抑圧の手段となっている。それは犯罪拘禁者やテロの容疑者にとどまらない加害者を含む、権力による非人間化プロセスである。わが国とて必ずしも例外とはいえない。なぜ現代でも拷問は行われ続けるのか? どうしたら実効的になくすことはできるのか? 日本も1999 年に批准した「拷問等禁止条約」について、国際社会と日本における同条約の求める規範内容の展開や現在の実現のあり方を、各専門の立場から考察。