所蔵アーカイブを広く社会に開き、人々に役立たせて欲しいという旧蔵者・團藤博士の意思を尊重し、教育現場や地域社会への還元にも積極的に取り組んでいる。
2016年度は、團藤博士の生命権を中心とした法思想(「死刑廃止論」)を題材に、大学初年学生が人権問題を主体的に学ぶ手がかりとなるような教材の開発を行った。この教材を作成するにあたり、龍谷大学、帯広畜産大学、舞鶴工業高等専門学校の協力を得て、各校で研究授業を実施した。なお、この教材開発にあたっては龍谷大学人権問題研究委員会より研究助成をいただいた。
2017年度は、2016年度に行った人権教育の教材研究を受け継ぐ形で、團藤博士の人権思想を踏まえながら死刑や終身刑などを題材に、大学初年次における人権教育に資する教材の開発を行った。これに際し、龍谷大学、帯広畜産大学、舞鶴工業高等専門学校の協力を得て、各校で研究授業を実施し、対象を法学部とそれ以外とに分けた教材の完成を目指した。なお、この教材開発にあたっては龍谷大学人権問題研究委員会より研究助成をいただいた。
本研究プロジェクトでは、史料の社会還元を目指し、團藤文庫所蔵原資料の展示会をこれまで2度に渡り開催してきた。
第1回目の展示は、2014年12月に2週間の会期で開催したもので、「團藤文庫受贈記念・わが心の旅路」と題するテーマのもと、團藤博士のライフ・ヒストリーを原資料通じて振り返る内容であった。生活資料、とりわけ膨大に所蔵している写真を利用した展示は、来場者の関心を得ること大であった。また、学生の来場者のため、本センターの嘱託研究員がスタディーツアーを行った。
2回目の原史料展示は、2015年7月の3日間、「いのちといのり」をテーマに行った。
戦時中の東大に関する史料や仏教を中心とした信仰に関する史料の展示を行い、100人以上の参観者を得た。
展示の風景