最近は、犯罪や治安問題が、政治課題として論じられるようになってきました。この背景には、治安状況の悪化があげられています。しかし、専門家の分析によれば、治安悪化には統計上根拠があるわけではありません。多くの人々は、警察の発表やマスコミ報道の強い影響を受け、漠然とした不安を感じています。このような不安感を背景にして、性急に犯罪や非行に対応していくならば、効果もなく、大きな弊害を生み出しかねません。まず、事実を正確にとらえることが必要です。
矯正・保護課程では、現場の声を直接聞くことのできる貴重な機会を提供します。一般にはあまり知られていない施設の実情についても、参観などを通じて、知ることができるでしょう。犯罪や非行を考えるための正確な知識と判断力を身に付けることが、この講座の目標です。
本学の歴史と伝統を活かして、刑務所・少年院・少年鑑別所などで働く矯正職員や、犯罪を犯したり非行に走ってしまった人たちの社会復帰を手助けする保護観察官等の専門職やボランティアとして活躍する人たちを養成することを目的としています。
矯正・保護・福祉の分野に関連する職務には次のものがあります。
法務大臣から委嘱された無給・非常勤の国家公務員。保護観察官と協力し、地域に精通した民間性や地域性を活かして更生保護の仕事に従事する。
宗教家としての立場から、刑事施設の被収容者の相談にのります。
地域社会の民間ボランティアとして、刑事施設の被収容者の相談にのります。
非行少年やその恐れのある者に対し、兄や姉の立場に立って立ち直りを援助する青年ボランティア。
| 講義 | 1単位科目:\750 2単位科目:\1,500 4単位科目:\3,000 ※法学部生・社会学部生・短期大学部生の場合、卒業要件科目(正課科目)として受講登録した科目については受講料不要です。 |
|---|---|
| 施設参観 | \2,000程度/1日(詳細は別途発表します) |
以下の要件をすべて満たした者には「矯正・保護課程修了証明書」を交付します
「非行少年といえば、一般的に、手のつけようのない悪さばかりしている子どもというイメージがあるかもしれません。でも、わたしには、彼らが本当に悪い子どもたちだとは、どうしても思えませんでした。講義の中で、少年院の様子を聞き、実際に、児童自立支援施設や少年院の子どもたちと会って、その気持ちは、ますます強くなりました。これからも、彼らにとってどんな処遇が望ましいのか、考えていきたいと思います。」
「刑務所を参観し、入浴を15分位ですませなければならないと知りました。早速、家で試してみたのですが、急いで入っても、25分はかかってしまいます。刑務所での入浴は、疲れをとるためのものではなく、身体を清潔に保つことが目的なのだろうと思います。刑務所は、陰気くさいところというイメージをもっていましたが、実際には、予想以上に清潔な施設でした。でも、刑務所には絶対に入りたくないとあらためて思いました。」
「矯正・保護課程を通じて、受講生のみなさんが、少しでも刑務所や少年院、更生保護の活動、受刑者や非行少年に関心をもってもらえることを期待しています。そのような人たちが、一人でも増えることが、彼らの社会復帰につながり、ひいては犯罪のない明るい社会の実現に近づくと思います。」
「このところ、少年非行が社会の注目を集め、非行の増加・凶悪化・低年齢化に対する施策が、あれこれ議論されています。犯罪や非行は、なぜ、起こるのか。非行少年や犯罪者は、どうすれば立ち直ることができるのか。みなさんと、一緒に考え、学んでいきたいと思います。 」